2025年4月下旬に、当社が支援している山口東京理科大学の学生フォーミュラチームを訪問してきました。同チームは昨年度総合順位20位の成績を残しており、今年は「総合成績トップ10入り」を目指して活動しています。
学生たちは切削、旋盤、溶接の技術を受け継ぎながら、多くの部品を自らの手で製作しており、チャレンジ精神と活動力のあるチームであることを伺い知ることができました。チームを見守るFA(ファカルティ・アドバイザー)には、ロードスターやRX-7の開発主査を歴任され、現在は山口東京理科大学 名誉教授となられた貴島孝雄先生が着任されており、その教えを受け継いだ「Fun for speed Reliable for fun」というドライバー目線の車づくりが今年のマシンコンセプトとなっています。
チーム活動の様子
歴代のカウルやパーツが並ぶ倉庫、大型加工機の並ぶ大学の加工施設、旋盤や溶接機材が揃うチームの作業室を見せていただき、活動の内容と車両のこだわりを教えてもらいました。
訪問時は今年度のフレームの溶接と各部品を製作している状況であったため、昨年度の車両を基に詳しい話を伺いました。
大会で決められたレギュレーションはあるものの、その設計の自由さゆえに仕様決定が難しかったようですが、1つ1つのこだわりについて、目を輝かせながら説明してくれる様子が印象的で、「ものづくり」の真髄を見たように感じます。
作業場ではメンバーが今年度のフレームを囲み、今年度の車両の走行に向け、活動に取り組んでいました。
今年度リーダーの藤田さんは、「一般的な大学生が思い描く華やかな楽しい大学生活とは異なるが、限られたリソースの中で多くの課題を乗り越えて大会に挑む学生フォーミュラの活動は、何にも代えがたい貴重な経験だと自負しています」と活動への熱い想いを語ってくれました。
SimulationXでの取り組み
当社が提供しているSimulationXでは、下記3点にチャレンジしてくれました。
1. サスに影響を与えない並進ロール剛性について検討
SimulationXで車両モデルを作成し、サスに影響を与えない並進ロール剛性について検討していました。周波数領域で、ばね下の固有振動数とばね上の固有振動数とが干渉しない条件を 考え、下限となる並進ねじり剛性、車体剛性の要求値を算出していました。
これは当社のお客様でも検討されることの多い解析の一つであり、当社HPにて解析事例の1つとしてご紹介しています。
SimulationX解析事例:1Dサスペンションの周波数応答
2. 最速減速比の検討
クランク路などでは、最速減速比に入れても戻すなどギアの入れ替えが慌ただしくなり、結果ドライバーが躊躇してしまってタイムが出せない状況を受け、SimulationXを用いて代表的な走行シーンを想定したモデルを作成し、トップギアを引き下げる検討をしていました。
3. カウル形状の検討
SimulationXで1Dでの簡易パワートレーンモデルを作成し、車両投影面積がアクセラレーション競技のタイムに与える影響について検討していました。
来年度の設計に向け、チーム内の各担当班で確立されている設計検討を1DCAEで検討してもらえるよう、引き続きフォローしていきたいと思います。
最後に
私たちが活動拠点を訪問した際は、車両政策と並行して新入生への活動紹介と勧誘活動が行われている時期でした。今年度の大会だけでなく、組織としての持続可能な活動を求められる様子に、支援する我々も気が引き締まる思いでした。
限られたリソースの中で活動に尽力されるチームの皆さんを、今後も支援・応援してまいります。